小児がんの中でも悪性リンパ腫が増えており、早期発見が困難と言われていますが、近年、小児がんの治療はめざましい進歩があります。
小児がんが近年増えているといわれます。人にできる悪性腫瘍をまとめて「がん」と呼んでいますが、15歳以下の子どもに発症する悪性腫瘍が小児がんです。小児がんは全てのがんの1%にも満たないといわれていますが、近年、増加傾向にあると聞きます。小児がんの中でも悪性腫瘍は上位を占めています。3歳以上の子どもの死亡原因はがんが交通事故について2位になっているのです。
小児がんでよく発症するのが悪性リンパ腫ですが、悪性リンパ腫とは文字通り、リンパ節にできるがんです。悪性リンパ腫はリンパ節以外にできるものもありますが、殆どはリンパ節にでき、全身に広がります。悪性リンパ腫の原因はウィルスとも考えられていますが、完全に解明されているとはいえません。小児がんの悪性リンパ腫は、血液にリンパ腫が入り、白血病を引き起こしたり、血液に入り込まないで骨髄や皮膚、消化器官へ浸潤することも言われています。
小児がん・悪性リンパ腫と闘っている子どもを見ると胸が痛くなりますが、小児がんの治療はめざましい進歩をとげており、今では小児がんにかかった子ともの60%はがんを克服するようになっています。さらなる小児がん治療の進歩が望まれます。
小児がんの悪性リンパ腫を含めた悪性リンパ腫は通常、リンパ節にできる腫瘍で、全身に広がりますが、広がり方はゆっくりと何年かけて進行するものと、わずか数ヶ月で広がるものがあります。いわゆる進行型悪性リンパ腫です。悪性リンパ腫初期症状として、大人の場合、頚部や鼠頚部、体全体のリンパ節が腫れてくるのを感じることです。リンパ節等が腫れても痛みはないので、初期段階で放置する場合も多いとされます。
悪性リンパ腫が進行して、腹部や胸部のリンパ節が腫れてくると、胃腸や肺などの内臓を圧迫するので呼吸困難や食欲不振、便秘とか腹痛を訴えるようになります。さらに病状が進行すると、血液にリンパ腫が入り込み、白血病を引き起こしたり、骨髄、皮膚、消化管へに湿潤します。悪性リンパ腫は悪性度の程度にかかわらず、完全治癒ができるところまで医療技術が進歩しており、放射線療法と化学療法を併用すると高・中悪性度の悪性リンパ腫でも半数近くは治癒されるといわれます。但し、悪性リンパ腫が以上に大きくなっていたり、高齢者になるほど体の抵抗力が弱まり、完全治癒が困難になってきます。
悪性リンパ腫の治療は抗がん剤と放射線が主に用いられていますが、最近は免疫療法を取り入れられた治療方法も取り入れられています。
悪性リンパ腫には抗がん剤治療が有効とされています。中でもリツキサンという悪性リンパ腫用の抗がん剤はCD20という成分が陽性のB細胞だけを攻撃する新薬で、副作用の少ない抗がん剤として日本では2001年に認可されました。副作用のない、あるいは少ない抗がん剤はまだまだ少ないのが現実です。
抗がん剤を使うときは保険が適用されるかどうかを調べる必要があります。抗がん剤の中には保険が適用されないものが多いからです。悪性リンパ腫用の抗がん剤リツキサンは1セット8回まで、保険が適用されます。抗がん剤リツキサンはこれまでにない画期的な効果を出していますが、誰にでも同じ程度効き目があるというわけでなく、有効な効果期間もはっきり証明されていないのが現実です。抗がん剤・リツキサンは短期間にがん治療に効果が出るされますが、リツキサン自体が数ヶ月体に残るといわれており、その間、腫瘍の相当部分が壊れて、血液に含まれてしまうため、排尿するのに腎臓に負担をかけることになります。
抗がん剤はがんの特効薬ではなく副作用を伴うものが多いので、抗がん剤治療をする前に効果と副作用の説明をしっかり受け判断しましょう。